『松山下陳』とは妙なタイトルである。これは坂本龍馬が凶刃に斃れる1ヶ月前に、自らの身を守るために。松山藩の京都屋敷に身を潜めたいと思い書いた書簡に出てくる。下陣と書いたのか、陣を陳と書き間違えたのか、それともわれわれが陣を陳と読み間違えてるのか。ともかく幕末の面白いほどの機微と男たちの「志」が感動的だ。本書の冒頭に筆者は次のように書いておる。この物語には、二人の主人公がいる。一人は坂本龍馬だが、もう一人は松山藩の藤野海南という人物である。同時代を生きた二人が、出会ったという記録はないが、時に交わり、時に背を向け、それでもその生き方は、近い存在だと思える。松山に海南の存在が無ければ、龍馬は「松山下陳」とは書かなったかもしれない。龍馬と海南、その二人が、混乱の時代に、ひたすら己の信じる道を往き、未来を示し、その姿を知るほどに、いまを生きるわたしたちに「どう生きるべきか」を教えてくれる。
著者 大城戸 圭一 × 山田 徹
SSER Publishing
発売日:2025/11/15
金額:2,500円(税抜価格 2,273円、消費税額等 227円)